「写経」とは「経典を書き写す」ことです。また「書き写された経典」をも指します。
仏教の教えは、釈尊の在世当時は、釈尊自ら多くの弟子たちに語り導いておられました。そして釈尊入滅の後暫くは、教えを正しく伝えるために弟子たちの間で「私はこのように聞きました」と語り伝えられておりました。さらに、時代を経て文字に記されるようになります。
印刷技術の無かった時代は、仏教の地域的な広がりの中で、また複雑多岐に展開された経典の内容を理解させるに、弟子たちの間で経典を書き写してたくさん作っておくことが必要になります。更に時代を経て、仏教の大衆への広がりの中で数多くの経典が必要になってきました。そこで、いくつかの経典の中には書写を勧めその功徳を説くようになります。
元来、経典の流布という目的の為の写経が、版行されている現在も尚行なわれているのは、経典の中で書写の功徳が説かれているからであります。
また、経典の転読(略読)に功徳があるとするなら、それよりも幾多も労力を要する写経に、更に大なる功徳を求める人々の心情からでもありましょう。
もう少し、詳しく見てみよう。