縁 起 


 日常生活の中で私たちは些細なことに縁起がいいとか悪いとかと口にする。また、物事の由来や歴史などをいうときにも用いている。「因縁」「因果」も同じ意味で用いられている。本来は、釈尊の悟りの内容であり仏教の根幹をなす思想である。三世を通じ目に見えるもの見えないもの全てのものは、常住するものではなく悉く因縁より起こっているとみる。それは原因があり条件を満たし結果として現れるものである。仏教の根本思想であるために、時代を経るに従って複雑に展開してくる。 初期は「認識」論の範囲で用いられていたが、大乗思想の出現により「存在」論でもつかわれるようになった。